【2021年1月版】いま太陽光発電の設置はアリ?お得か損かズバッと解説

太陽光発電設備
太陽光パネル

新築住宅を検討する際に「太陽光発電は載せますか?」と聞かれたことはありませんか?

ネットで検索してみると

  • もう太陽光発電なんて儲からない
  • 太陽光発電は補助金も無いし止めた方がいい
  • 固定買取単価が下がってるから意味ない

こんなワードが散見されます。

この記事を読めば、我が家に合った太陽光発電が分かると思います。

電気工事士として実際に設計・受注している「しょーん」が今の太陽光事情を簡単にお伝えします。

(2021年度は2021年4月1日~となります)

目次

太陽光発電ってどんな設備?

太陽光パネルチェック

太陽光発電設備とは、太陽光エネルギーを普段私達が使用している電気に変換する設備の総称です。
よく聞く名称では「再生可能エネルギー」と言われていますね。

太陽光エネルギーを電気に変換するまでの流れは次のとおりです。

  1. 太陽光パネルが太陽光を受けて直流電流を発電する
  2. 発電した直流電流をパワーコンディショナ(通称パワコン)で交流電流へ変換する
  3. 変換した電流を住宅用分電盤へ送り、各電気として消費(又は売電)する

太陽光発電設備って名前を聞くと、何だか仰々しい設備に思えますが…
実際必要なものはこれだけなんです。

  • 太陽光パネル
  • パワーコンディショナ
  • 制御パネル

それだけなの?って思いませんか?
そう、意外と単純なんですよ。

次で太陽光を選ぶ基準を見てみます。

単結晶と多結晶パネルの違い

太陽光パネルに種類がある事はご存知でしたか?
主に2つの種類があるんです。

  • 単結晶パネル
  • 多結晶パネル

それぞれのパネル特性は以下の通りです。

パネル種類発電効率コスト耐久性用途
単結晶高い主に住宅用
多結晶安い主に産業用

単結晶パネルは一枚板を切り出した様なイメージです。
多結晶パネルは単結晶パネルを制作する過程で出たものを、集めて固めた物をイメージして下さい。

どちらが良い(高い・高性能)かは何となくイメージできるんじゃないでしょうか。

普通の住宅でしたら「単結晶形」が一般的と言えます。
(屋根が広いのであれば、あえて多結晶形を過積載する事もあります)

どう選べば良い?容量の違い

ハウスメーカー

太陽光の容量はどのくらいにしますか?

こう聞かれた時になんと答えればいいのでしょうか。

普通の家であれば、屋根に載るパネル数はそう多くありません。
つまり、太陽光パネルが載る数=基準容量となります。

例:屋根に20枚のパネルが載る場合

20枚×240w(一般的な出力例)=4.8kw

太陽光パネル4.8kwなので、設置するパワーコンディショナは4~4.5kwとなります。

しょーん

一般的には(太陽光パネル容量>パワコン容量)だよ

設置場所は?屋根に設置が普通なの?

  • 屋根面積が少なくてパネルが載らない
  • 屋根が北向きだから載せない方が良いと言われた
  • もっと太陽光を載せたい!

そんな時はどうすれば良いでしょうか。

庭に設置する…のは避けたいですね。

そんな時はカーポートに設置する手があります。

ただし、カーポートへの設置は重量や専用カーポートを選定するのか等、一般的に屋根に設置するよりも割高な傾向にあります。

事前にしっかり見積を取ることが必要です。

太陽光を導入すべき人とそうじゃない人

お金イメージ

太陽光の基本が分かった所で、本題の2021年に太陽光設備を導入するべきか、そうでないのかを解説します。

結論から言うと、安く設置できて補助金使うならアリ!と言えます。

  • いくらで設置できたら安いの?
  • 太陽光の補助金って今でもあるの?
  • 我が家の場合はどうなの?

色々と疑問が出てきますよね。
一般的な5kwの太陽光設備で、いくらで契約したらいいのか試算を交えながら見てみましょう。

FIT制度(固定価格)から考える

FIT制度(固定価格買取制度)は10年間決まった単価で電気を買い取ってくれる制度です。
この制度無くして、太陽光発電導入はあり得ません。

値段の推移を見ながら、2021年の固定買取金額がいくらなのか見てみます

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2021年度は未定となっています。
「コレじゃあ分かんないよ!」って声が聞こえてきますが、2021年度は19円と言われていいます。

19円が高いのか安いのか…平成24年を見てみると

h24年度売電単価価格表

42円/kwhなので半額以下になりますね。
「半額以下で太陽光やる意味ないだろ!」って思われますか?
もう1つの表を見てみましょう。

これは「システム費用」の推移です。
つまり太陽光発電設備の金額ですね。

平成24年(2012年)頃が43.1万円/kwだったのに対して、2020年では28.6万円/kwになっています。

つまり、設備代(初期投資費用)も下がっているという事ですね。
この金額が1つの目安となってきますので、今回だと仮に5kwとして

5kw×28.6万円=143万円

143万より安く設置できるのが最低条件と言えそうです。

電気契約種別から考える

電気契約種別をご存知ですか?

電力会社から送られてくるこの紙に見覚えがあると思います。
この書類の中央上段に記載されている「ご契約種別」と言うのが、今あなたのご自宅で使用している契約となります。

この契約種別の中で、多いであろう「従量電灯」とオール電化で用いられる「スマートライフプラン」で比較・試算してみます。
試算に使用したのは「京セラ」さんのHPです。

契約種別(東電)従量電灯Bスマートライフスマートライフ
システム容量5kW5kW
使用電力量(1年平均)370kw370kw
買取単価18円(試算用)18円(試算用)
消費電力パターン24時間均等24時間均等昼型
設置方式屋根置型屋根置型
パネル設置角度30°30°
パネル設置方角真南真南
通年損失率無し無し
年間予想発電量5,158kWh5,158kWh
年間予想電気料金93,054円93,562円93,867円
太陽光発電(5kw)試算

試算結果から分かる通り、契約プランではあまり予想収益に差はありません。
ご自宅がガス併用であろうと、オール電化住宅であろうと気にする必要は無いですね。

設置費用と予想収益の目安が出たので試算してみましょう。

  • 設置費用 27(万円/kw)×5kw=135万円
  • 予想収益 9.3万円×10年間=93万円
  • 結果 135万円-93万円=▲42万円

いかがでしょうか!
おいおいおいおい!赤字やないかーーい!」という声が聞こえます。

それでは次の補助金を見てみましょう。

補助金から考える

それでは、太陽光設備に適用される補助金は…

ありません!

これでは導入しない一択にしかならないので、別の切り口を見ましょう。

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)通称「ゼッチ」をご存知でしょうか?
ゼロ・エネルギーの名の通り、各家のエネルギー収支がゼロになる住宅の事を指します。

つまり「使用電力≒発電電力」となります。
対象者は以下の通りです。

  • 下記3点いずれかに該当する者
    1. 戸建ZEHを新築する方
    2. 新築戸建て建売ZEHを購入する方
    3. 自己所有の戸建住宅をZEHに改修する方
  • ZEHロードマップにおける「ZEHの定義」を満たしていること

ZEH対象の家を買う(改造する)人で、ZEH定義を満たしている方が対象となる補助金ですね。
では、ZEH定義とは何でしょうか?

● ZEHの定義

以下の①~④の全てに適合した住宅

① 強化外皮基準(1~8地域の平成28年省エネルギー基準(ηAC 値、気密・防露性能の確保等の留意事項)

を満たした上で、UA値 1、2地域:0.4[W/㎡K]以下、3地域:0.5[W/㎡K]以下、4~7地域:0.6[W/㎡K]以下)

② 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減

③ 再生可能エネルギーを導入(容量不問)

④ 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

ZEH支援事業

小難しいですね。
まったく分かりません。

このままではお叱りを受けそうなので、これらを解決(対応)してくれる業者(通称 ZEHビルダー)をご紹介します。

ZEHビルダー/プランナー一覧

こちらで、自分が建てようと思っているハウスメーカー名を入力すると簡単に検索できます。

ZEH補助金ですが、2021年度は60万円(前年度据置)と言われています。
その金額を当てはめると…

▲42万円+60万円(補助金)=18万円

リーマン君

ヨッシャー!!

とはならない金額ですね(汗)

まとめ

太陽光を導入すべき人は下記を満たせる人です。

  • 太陽光設備は27万円/kw以下を目標に設置する
  • なるべく太陽光パネルを「真南+取付角30°」に設置する
  • ZEH補助金を利用する

いかがでしょうか?

仮に条件を満たしても「10年間で18万なら付けなくていいや」って思われる方もいるでしょう。

ですが、10年経過後(卒FIT後)も単価は下がりますが電気の購入はしてもらえますし、最近の機器は15年~20年保証を謳う会社もあります。

売電価格が下がったとしても、これから増えていくであろう電気料金を「払わなくても良い」(曇天・夜間は別)だけでもかなりの負担軽減になる事は間違いないです。

今後蓄電池なども高性能・低価格化が進むことが予想されます。
決して太陽光に未来がないとは思いませんので、しっかりと計算して導入検討をしてみて下さい。

ではまた!

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