棟上げが終わり屋根ができて、段々と家ができあがってくると
コンセントやスイッチに変更はありませんか?
現地でボックスの位置を見ていただいて、おかしくなければ進めたいと思います
いつか決めなきゃと思っている事でも、いざ言われると「大丈夫かな?」と戸惑います。
そんな時にあわててコンセントを増やしたり減らしたりして後から後悔…結構あるあるなんです。
電気工事士として15年以上現場に携わり、設計から管理までしている私しょーんがお助けします。
- 基本的なコンセントのレイアウト
- LDKのコンセントと配線方法
- 標準では付いていない場所へのおすすめコンセント
どういう事か、結論をお教えします。
- 普通の部屋は壁1面に対してコンセント1箇所
- 広い部屋はさらに増やす
- キッチンのコンセントは想像以上に設置し、専用回路で
- ダイニングテーブルやリビングのソファ周りにも必要
- 玄関やWIC階段下の物置にも設置
いかがでしょうか。
思ったより多かったですか?それとも少ないでしょうか。
それぞれ解説していきましょう。
一般的な部屋のコンセント配置
一般的な部屋とは、○LDKの○部分の事。
いわゆる洋室や子ども部屋、寝室の事ですね。
これらの部屋は基本的に壁1面に対してコンセントを1箇所に設置しましょう。
そんなに使わないと思うかもしれません。
しかし住んでみると棚や机、ベッドでコンセントが隠れるのはよくある話しです。
完璧な部屋のコーディネートしたとしても、模様替えで変えたくなるかもしれません。
少し多いかな…くらいで丁度いいよ
部屋ごとのコンセント配置
一般的な部屋とは違い、目的別のコンセントが欲しい部屋。
今回は例としてキッチン、ダイニングとリビングを案内します。
どの部屋も間続きだしLDK全体で5〜6カ所なんて方はいませんか?
設計図がある方は見比べてみて下さいね。
キッチンのコンセント
赤い丸がコンセントの図記号です。
ポイントは3つ
- キッチンの前面に壁があるならコンセントをつける
- バックカウンター部には多めにコンセントをつける
- 冷蔵庫は専用のコンセントとする(取付高さが違う為)
カウンター前面は何もしないとコンセントが全くない部分になります。
ここで使いたいのはミキサーやハンドブレンダーなどでしょう。
もしコンセントが無いと、水回りで使いたい器具をバックカウンター側で使用するしかありません。
バックカウンターは思った以上に家電が多く、いつの間にかコンセントが足りなくなってます。
ここで使用する家電はおもに
- 炊飯器
- 電子レンジ
- コーヒーメーカー
- オーブントースター
- 電気ケトル
パッと日常で使用するものだけでもこれだけあります。
コンセントは広めの間隔で設置しましょう。
カウンター中央にコンセント3個並べても家電が並ばない(収まらない)ですよね。
ダイニングのコンセント
ダイニングでのポイントは2点。
- ダイニングテーブル付近に設置する
- 汎用コンセントをできれば2カ所設置する
ダイニングテーブルの付近は、テーブル上でたこ焼き器やホットプレートを使う時です。
汎用コンセント2カ所欲しいのは、1個は空気清浄機や小さいテーブル(電話など)
で使えなくなる可能性があるからです。
コンセントが1カ所しかないと、扇風機や掃除機で使用できるコンセントが無くなってしまいます。
リビングのコンセント
リビングはこの3カ所に設置しましょう。
- ソファの近く
- テレビ周りは2〜3カ所のコンセントを
- 上記以外の場所に1カ所
ずいぶん多く感じるかもしれません。
ソファの近くはスマホの充電などですね。
テレビ周りですが、少なくとも2〜3カ所と言うのはそれだけ機器が多いからです。
- テレビ
- BDレコーダー
- ゲーム機(PS+Switchなど)
- オーディオ(好きな人は)
- スマートスピーカー
この他テレビ番組が好きな人は外付けHDDを置いたり、ゲームのコントローラーを充電する為や無線LANルーターが考えられます。
上記以外に1カ所と言うのはソファとテレビ周りでコンセントが埋まってしまうと汎用コンセントがなくなってしまうからです。
標準設計では付いていない場所へのコンセント
標準設計とはハウスメーカーが基準としている場所です。
これ以外でもあると便利な場所がりますので、場所別にみてみましょう。
標準設計だけだと、よほど良い設計士でなければ不足しがち
玄関
玄関は標準だと汎用コンセントが1カ所につくかどうかです。
玄関で利用するであろう機器はこの2点です。
- 掃除機などの汎用家電
- カウンターや棚へのコンセント
カウンターや棚は作らない人は関係ないですが、ここにコンセントがあると便利。
充電しなきゃいけないけど忘れやすいもの、例えばApple WatchやAirPodsなどの小物デバイスですね。
帰ってきたら玄関で外して充電。
出かける時に玄関で充電し終えたデバイスをパッと手に取り出発。
スマートだと思いませんか?
忘れ物防止にもなりそうだね
WICや階段下の物置
ウォークインクローゼットや物置は要らない様に思えますが、設置しましょう。
ロボット掃除機(ルンバ等)や、除湿機や空気清浄機を設置したい時に便利です。
ただ設置する時の注意点として、物置などは奥にコンセントを設置するのは避けましょう。
物を置いていくとコンセントまでアクセスできなくなります。
入り口付近に1カ所あれば十分です。
駐車場やベランダ
駐車場では洗車する時に欲しいですね。
また、100VではないですがEV(電気自動車)用のコンセントも設置しましょう。
改めて詳しく説明しますが、近い将来はEVがマジョリティーとなるはずです。
ベランダがある家の場合はそこにも1カ所設置しておけばいざと言う時に便利ですね。
確認するべき施工方法
コンセントのレイアウトについては理解できたでしょうか。
ここで1点施工で注意しないといけないポイントがあります。
主にキッチンですが、消費電力の多い家電が集中する場所のコンセントは
それぞれ単独で配線してもらいましょう。
単独配線とはブレーカー1個に対してコンセント1箇所と言うことです。
指定しないと近いコンセントは1つのブレーカーでまとめて配線されてしまいます。
1つのコンセントで利用できる消費電力の目安は1,500wです(MAX 2,000w)
- 電子レンジ:1,000w(日立 MRO-S8X)
- トースター:1,200w(Panasonic NT-T501)
- 炊飯器:1,250w(東芝 RC-10VSP)
上記の家電は一例ですが、実際の消費電力です。
朝の忙しい時間にこれらを同時に使用したら、電源入れた瞬間にブレーカーが落ちてしまいます。
そうならない様に、1~2台の家電に1つのコンセント。
つまり1~2台の家電に1つのブレーカーとなる様に配線を施工してもらいましょう。
まとめ:思ったより多めが後悔しないレイアウト
新築でのコンセントレイアウトをご紹介してきました。
- 洋室などは1部屋4ヵ所くらい設置する
- LDKはそれぞれ目的別のコンセントを設置
- 標準設計では付いていない場所へもコンセントを設置しよう
- キッチンのコンセントはブレーカを専用にする
コンセントを後から増やすには費用が掛かります。
これから新築する方や、今建ててる途中!という方はまだ間に合います。
ココにもあった方が良かったと思えたコンセントは増やせないか相談してみて下さい。
また、すでにお住まいの方でもコンセントを増やすのが割と容易なパターンが2つあります。
- コンセントが欲しい壁の裏側にコンセントがある場合
- 床から30cmにコンセントがあるけど、180cmの位置にもコンセントが欲しい
この2パターンは配線を延長するのが容易なので、費用がかなり安く設置可能です
安くと言ってもいくらか分からないと不安だと思いますので、参考金額を載せておきます。
- 材料費=1,000円(コンセント+配線)
- 消耗材=500円
- 労務費=3,000円
- 諸経費=1,000円
- 合計=5,500円
これは1ヵ所あたりの金額です。
ちなみに僕が見積した場合ですので、交通費や出張費といった項目が別途掛かる地域もあります。
延長コードでタコ足配線をするよりは安全で費用も検討の範囲内だと思います。
この条件に当てはまってコンセントを増やそうと考えてる方は、近くの電気屋さんに相談して下さい。
電化製品があふれてる時代だから
適切なコンセント配置はQOL向上に必須だよ
少しでもお役に立てるとうれしいです。
ではまた!